令和3年度以前知事記者会見

2019年8月7日(水)


知事発表:静岡県消防防災ヘリコプター更新機の運航開始、静岡デスティネーションキャンペーンの成果、清水港における農産品輸出促進に関する取組
幹事社質問(記者質問):静岡デスティネーションキャンペーンの成果、夏休み、リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線、日韓関係、愛知トリエンナーレの中止
記者質問:学力テスト

知事発表:静岡県消防防災ヘリコプター更新機の運航開始、静岡デスティネーションキャンペーンの成果、清水港における農産品輸出促進に関する取組

(知事)

 今日は白い花がオーニソガラム。小さなつぼみが密集してる、これですね、これはベンケイソウということです。小さい花オシロイバナですね。葉っぱはハラン、それからナンテン、それからフヨウということでございます。さて、発表項目は、三つであります。

静岡県消防防災ヘリコプター更新機の運航開始】

 まず、静岡県消防防災ヘリコプター更新機の運航を開始する件についてでありますが、平成9年の本県消防防災航空隊の発足とともに導入いたしました防災ヘリコプターを、最新装備を搭載した新機体に更新いたしまして、来る9月1日から運航を開始いたします。

 それに先立ちまして、この8月22日木曜日ですけれども、静岡ヘリポートにおきまして、私自身も出席いたしまして、新機体オレンジアロー号の就航式を執り行う予定であります。

 この新しい機体は、イタリアのレオナルド社のAW139というものであります。機体の大型化によりまして、一度に多くの人員の救助搬送が可能になります。それとともに巡航速度も速く、また、航続距離も長く、向上いたしました。目的地への迅速な到着、遠方への患者搬送等が可能となります。また、障害物等警報装置や後方監視モニターなどの安全装置の充実により、機体の安全性も一段と高まりました。

 これによりまして、これまでの機体では救助活動が困難であった富士山や南アルプスなど、標高3千メートル級の山岳地帯における救助も可能となります。富士山の8合目、3千メートルの所には医療設備がありますので、そういう所まで行けるということであります。

 今後は、操縦士2人体制の来年4月からの本格導入など、運航体制のさらなる充実強化を図り、県民の皆さまの命、財産を空から守り、安全、安心な地域づくりを支援してまいります。

 これはもうすでに静岡県下に来ておりまして、いずれにしてもだいぶ前ですけれども、もう全然違うんですね、前のやつと。ただ、デザインなどは前のものを踏襲しまして、下から見ると静岡県のヘリコプターであることか分かるようなデザインになっております。

静岡デスティネーションキャンペーンの成果

 さて、二つ目の発表項目でございますが、静岡デスティネーションキャンペーンの成果、実績についてであります。

 今年の4月から6月にかけまして、国内最大規模の観光企画「静岡デスティネーションキャンペーン」、これが開催されておりましたが、その結果がまとまりましたのでご報告申し上げます。

 平成最後かつ、また令和へとまさに新しい時代への幕開けとなるタイミングとなった、この静岡デスティネーションキャンペーンにおきましては、霊峰富士をはじめ、伊豆半島ジオパーク、美しい湾クラブに加盟している駿河湾、遠江百景の浜名湖といった美しい自然とその環境に育まれた歴史、文化、また、豊富な食材など世界クラスの資源群を生かしてオール静岡で誘客活動を展開してまいりました。

 こうした県を挙げての取り組みによりまして、DC期間中の県内観光施設の入込客数は前年度比110パーセント。県内宿泊客数については前年比107パーセントと、期間を通じて好調でありました。

 また、最大10連休というゴールデンウィークの反動が6月、懸念されたのでありますけれども、DCに合わせて企画された国宝・久能山東照宮での夜間特別拝観など個性豊かなイベント、また県内の地酒全26銘柄の飲み比べを行った日本酒トレイン等々、観光列車の運行が数多く実施されまして、それが奏功しまして、入込客数、宿泊客数ともに前年を上回ったということでございます。

 さらに、DC期間中に静岡県を来訪した観光客を対象としたインターネットアンケートにおきまして、「満足」と回答した人の割合は全体の94パーセントということでございます。本県を訪れた皆さまから、観光地としての高い評価を得ることができました。

 デスティネーションキャンペーン、DCを契機といたしまして、県、県観光協会、市、町、地域観光団体、交通事業者等々が連携して、商品企画づくりやプロモーションを実施できたことは大きな成果でございます。

 この取り組みを継続することによって、来年の春、これは、アフターDC、2020年4月から6月、それから、その後に東京2020オリンピックパラリンピックが続きます。これらで誘客につなげまして、観光誘客を通じた本県の交流人口の一層の拡大を図ってまいります。

 なお、詳細につきましては、この後、担当課が実施するブリーフィングでご説明を申し上げます。

清水港における農産品輸出促進に関する取組

 三つ目でございますけれども、清水港における農産物輸出促進の取り組みについてであります。清水港では、県が策定し、昨年2月に国交省に認定された農水産物輸出促進計画に基づきまして、国庫補助事業を活用して、冷凍・冷蔵コンテナの電源供給設備を増設するなど、農水産物の輸出環境の整備を進めているところであります。

 今回、国交省さんが清水港をモデル港といたしまして、高規格冷蔵コンテナを用いた農産物海上輸送試験を実施することになり、昨日8月6日に、第1回目の輸送試験としてコンテナ船がシンガポールに向けて清水港を出港いたしました。

 今回の輸送試験はJA静岡経済連さんが輸出者となり、本県産のアメーラトマト、クラウンメロンのほか、確か14品目だと思いましたけど、14品目ですね、さらに山梨県産のシャインマスカット、桃、山梨県産が3品目ですね。種なしピオーネもあります。それで、長野県産のものも6品目ございまして、長野県産の種なし巨峰、白菜、ほうれん草、キャベツ、レタス等々を輸送する。全体で合計何種類になりますか、31品目ですね。これが今、海上を渡ってるということでございます。

 なお輸送試験は、今回を含めまして、4回実施される予定であります。

 県でもJA静岡経済連と連携して、県内を初めとした高品質な農産物を継続的に清水港から輸出する体制を構築するため、各産地から清水港までの効率的な集荷体制の検討を始めております。また、県の海外駐在員事務所による現地での需要創造と言いますが、販路開拓支援も行うこととしております。

 2020年内に、中部横断自動車道の本県と山梨県を結ぶ区間の全線開通が予定されております。恐らく今年中には、今、富沢まででございますけれども、富沢から、南部インターチェンジのとこですね。行くでしょう。来年には、南部インターチェンジから、下部温泉早川まで開通するということで、完全に甲府までは一体となるということでございまして、こうした山梨県ならびに長野県をも視野に入れて、こうしたところの、海なし県の方々の特産農産物を輸出入貨物として取り扱ってまいりたいというふうに思っております。

 こうした取り組みを通じて、県内また隣県で生産された農産物について、清水港を利用して輸出のさらなる拡大を目指してまいります。私の発表項目は以上であります。




幹事社質問(記者質問):静岡デスティネーションキャンペーンの成果、夏休み、リニア中央新幹線

【静岡デスティネーションキャンペーンの成果】

(幹事社)

 ありがとうございました。一つだけ発表項目についてお伺いしたいんですけれども、デスティネーションキャンペーンについてですけれども、知事もかなり力入れて言われていましたけれども、今回のこの結果を受けて、受け止めも教えてもらってもよろしいでしょうか。

(知事)

 はい。これは本県といいますかJRさん6社でやってるという中で、本県を走ってるのはJR東海さんとJR東日本ということで、JR東海さんと静岡県との関係が非常にこの間、連携が密になりまして、担当された部長さんというんでしょうか。担当者は本社に栄転になりましたね。それからJR東日本の方は、東部の方ではありますけれども、またそれなりにご一緒にしていただきまして、うちの観光協会、市町、その他が一体になって「あっぱれ静岡元気旅」と。これですね。

 もうこれがまた、若い学生のデザイン、またロゴマークということで、キャッチフレーズっていうんですか、キャッチコピーですか。そうしたことが功を奏したということで、静岡県の魅力を知っていただいたということが大きいと思います。

 それから、昨年11月3日に日本平では頂上に夢テラスができました。これも100万人を超えるという、もう予想外の好評で、こうしたことも、連休の後ですね、あるいは連休中も、海外に行く人が多いんじゃないかというふうに心配されたんですけども、その心配も杞憂(きゆう)に終わりましたし、連休終わった後も激減するという、そういうことを心配されたんですけども、それもなかったということで、あちこち見る所があるなというふうに思っていただいたと同時に、こういう見るものがありますよということを、西から東まで、南から北までしっかりとPRができて、それに応じて、恐らくリピーターも含めて今回の増加になったと。私はこれをそのまま続けていきたいと。いわば風景の画廊としてですね。「訪れてよし」の静岡県にしていく、いい結果が出たなというふうに思っております。

(幹事社)

 ありがとうございました。そのほか質問のある方いらっしゃいますでしょうか。

 よろしければ幹事社質問に移らさせてもらいたいと思います。二つあります。

 まず1点目が、令和初の、今年の夏休みはどう過ごされる予定でしょうか。

 もう1点が、リニア問題で愛知県の大村知事の発言を受け、川勝知事は7月30日に直接説明に行くというふうに発言されましたけれども、その後愛知県側に打診をされたのか、打診したとしたらどういった回答があったのかなど、愛知県とのやりとりの進捗(しんちょく)状況を教えてください。

(知事)

夏休み

 はい。夏休みは、学問三昧ということであります。それから具体的には9日に、宝塚歌劇団の放送審議委員を、どれくらいですかね、2000年ぐらいから預かっておりまして、宝塚といえば、歌舞伎や、お能に並ぶ日本の代表的な、何て言いますかね、パフォーミングアーツですよね。その放送審議会委員を仰せつかってるんですけども、年2回あるんですけれども、それが9日にあるということでございます。

 今、静岡県には、花組トップの明日海りおさん。それからまた宙組に水香依千さんね、それからこの間掛川とか富士市でも新しく入りましたね。掛川だったかな。ともかく難関を突破して入ってる人がいて、それが、放送されてるんですね、その放送内容について、意見を聞きたいということで、昔の社長されていた、校長先生されていた小林公平さんに頼まれて、以来まだクビにならないでやってるわけですけども、そこに出ます。

 その翌日10日には、京都大学の清風荘という、総長のお持ちになっているところでございます。そこで勉強会があります。地球学フォーラムっていうんですけれども、そこに出席するということでございます。

 その後は、もう自分の今、関心のある学問について、日本の来し方行く末、世界の中で考えるということで、しっかりと学問したいと。軽井沢で学問したいというふうに思っております。19日に戻ってまいりまして、20日から仕事戻ると、こういう予定であります。

リニア中央新幹線

 それから二つ目のリニア問題で、愛知県の大村知事さんのいろいろなご発言がございまして、ですからこれは誤解もあるので、ぜひお目にかかって直接話をしたいということで、今、日程の調整をしていただいております。

 8月、何だかんだございますものですから、9月にずれ込む可能性があるかなと思っておりますが、こちらの方から愛知県の方に出向きまして、ご説明申し上げたいと、こういう考えでおります。以上です。

(幹事社)

 リニアの件に関して質問ですけども、一部報道で、愛知県の大村知事の方からは断りの話があったという話もあったんですけれども、この点について事実関係いかがでしょうか。

(知事)

 もうびっくりしました。このNHKの朝6時53分ですかね。通常はBS−1見てるんですけども、ちょっと台風のことが気になってそっち回したんですけど。そしたら、トップで「会わない」ということで。それは誤解で、同じ話の内容を、難波副知事がしたのと同じ話の内容をするということであれば会わないということだったようです。

 私は、われわれは中間意見書に関わる説明を丁寧にして差し上げたということですね。それはもうご覧になってるということでもありますので、いろいろとそれ以外のことでお話することもございますので、大村さんに二度手間取らせることはしないということを、こちらの方から、事務を通じて連絡を差し上げまして、そういうことであればということで、今、日程調整をしているということであります。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(幹事社)

 基本的には、会談をするという方向で調整をしているということですね。内容的には前回の説明だったらっていう話なんですけども、知事の方からどういった説明をされたいと。

(知事)

 そうですね、私は、何となく川勝一人がJR東海さんに物申してるかのごとくに取られているようにも見受けられますのでね、それは違うということですね。

 多くの方々が水問題で心配されているということで、どういう心配かということも含めて、ご説明しなくちゃならんと。それから南アルプスというのは、もちろん日本アルプスの一つなんですけれども、やはり小学校、中学校の校歌に、赤石として出てくるわけですね。赤石山脈のことですからね。この赤石山脈ってのは、恐らく富士山に匹敵するくらい地元の人たちにとっては愛着のある、愛情のある神聖な山と、人々を元気づける山ということではないかと思うんですけれども、そうした地元の郷土の誇りである山についての見方とかですね、こうしたことも含めてご説明申し上げたいと。要するに静岡県民も心配してること、これを私が代弁しながらご説明申し上げると。前回、難波副知事がご説明申し上げたのは、JR東海さんと、専門部会と向こうの担当者との間でやっているやりとりについて整理したもの、そして中間意見書としてまとめ上げたもの。何を今われわれが懸念してるかということについて、専門部会とJR東海さんとのやりとりということに集中したご説明だったわけですね。

 そうした事柄も、お分かりいただけるということで、それ以外のことであれば話は聞きたいというようなことのようですよ。ですから、相手の貴重なお時間を頂くので、それを尊重した形でお話に参りたいと思っております。

(幹事社)

 ありがとうございました。幹事社質問について質問のある方はお願いします。

(記者)

 今朝NHKをご覧になってから。もう一度大村知事の方に連絡されて、そういう方針になったと。

(知事)

 違います。私はもう日程調整をしているというふうに理解しておりましたので、今朝の6時53分ぐらいまでは。それでニュースで知ってびっくりしたということです。

 それで後で事情を聞くと、実は大村さんが会わないと言われたのは、ちゃんと説明がありまして、同じ話をしにくるのであれば、会わないとおっしゃったようですね。だけど、そうではありませんということは、数日前にも伝えてあったんじゃないかと思うんですよ。同じ話をするのであれば来てもらう必要はないっていう話は、数日前に聞いておりましたので、そういうことであれば、二度手間を取らせないというふうにして、名古屋の方に知らせてくださいと言っておりましたのでね。

 ですから、お目にかかる段取りになってるだろうと思っておりましたので、聞いてみると、そういう方向で進んでるっていうことで。

(記者)

 ではこのリニアに関連してちょっとまた他の質問なんですけれども、一昨日、石井国交大臣と面会されたということなんですけれども、国に対して期待することっていうのは、具体的にはどういうことを期待してらっしゃるのかというところ。

 それと以前の定例会見でも質問が出たと思いますが、JRの準備工事について、作業員宿舎ができてきていますけれども、河川法に基づく申請に対する許可がまだ下りていないということで、宿舎は使えない状況が続いてるわけですけれども、前回からまた日数もだいぶたっていまして、こういった中で、許可についてはなぜ下りないのか、どのような県はスタンスでこれについて当たっているのか、まずそれについてを教えていただきたいんですが。

(知事)

 いい質問ありがとうございました。まず最初の質問ですけれども、石井国交大臣にお目にかかりにいった最大の目的は、予算の確保ということですね、来年オリンピック・パラリンピックもございます。そうした中で、滞りなく海外のお客さま、国内外のお客さまを迎えるために必要なインフラ整備をしなくちゃいけないということで、具体的な項目に絞って丁寧にご説明すると。しかし、石井国交大臣は極めて高い土地勘をお持ちで、若いときには浜松に勤務されたことがあったと、国交省のご出身ですから。

 そして、例えば中部横断自動車道の今の遅れの実態、新々富士川橋の渋滞解消の必要性、あるいは沼川の河川、これを放水しないといつ溢水するか分からないと。それから沼津の高架の問題、それから伊豆縦貫の重大な問題も全部ご存知で。さらに、今天城を越えるための都市計画決定手続きに入ってるんですけれども、こうしたことについても、説明すればもう、パーンと響くといいますか、ものすごくいい感じですね、話が。しかも、国交副大臣もいらして、この間ずっと、常にいろんな意味でアドバイスを頂いております、公明党の大口先生も同席していただきまして、そうした中で、その要請もあっという間に終わったというぐらいだったわけです。

 それで頂いてる時間が若干ございまして、それで南アルプスとてもきれいな所で、北には中央アルプス、北アルプスがあるし、立山、それから何ですか、白山、富山、越中おわら節を聞けば加賀の白山、越中の立山、駿河の富士は三国一とかっていうことで。それから糸魚川静岡構造線と、本当にこれきれいな所ですと。そしてリニアに関して、スーパーメガリージョンづくりと言っておられますけれどもと言ったら、ガハハと笑われまして、それに対してあれは地下だと、闇の中を走ると、停電なったら地獄になるんじゃないかと。

 それに対してこちらは光の世界で、スーパーランドスケープリージョンです、光の世界ですって言ったらば笑われて。ともあれ南アルプスの保全ということについて、私ども大変懸念していると、そのことについてご心配していただいてることに対して、ありがたく思っておりますということを言ったわけですね。

 それで、国交省としても関心を持ってらっしゃるということがもうすぐに分かりましたので、今、われわれは科学的エビデンスに基づいて、JR東海とやっておりますと、それは非常によろしいということで、そうした中で、大口先生の方の口添えもあったんですけれども、国交省としては、単に情報収集するだけではなくて、JR東海と静岡県とのやりとりにいわば行司役のような形で、しかるべき方が同席する形で見守るということができるかな、というふうな感じのやりとりであったわけです。そしたら早速、これは昨日ですね、国交省がもう動いてくださいまして、事業を円滑に進めていくために、国交省、県、JR東海との間で、今後の当面の進め方について、確認のための調整をしたいということで、国交省の鉄道局から県くらし・環境部に連絡があったそうです。

 そうしますと、今度8月の20日、21日にそれぞれ専門部会の先生方とJR東海のやりとりがあるわけですね。そこにもしご同席していただけるのなら、とってもありがたいなというふうに。

 そうですね、地質構造、水資源専門部会委員とは8月20日の火曜日、また生物多様性専門部会委員とは8月21日に、この間、7月30日にJR東海に質問書を出しましたことに関しての、やりとりが行われる予定になっております。ですから、国交省さんも、こういう申し出を頂いておりますので、しかるべき方がオブサーバーとして、いわば行司役として、そこにご同席いただくと大変ありがたいなというふうに思っております。

 われわれとしては、この調整といいますか、調整しましょうとおっしゃってくださったので、国が見守る中で科学的根拠、サイエンス的エビデンスに基づいて、JR東海さんとの対応を進めたいと思っております。大変ありがたく思っております。もう行ってすぐこういう形で返ってくるということが、われわれにとっては非常な大きな励みになってるので、石井国交大臣、そこに同席されていた牧野副大臣ですね、それからお口添えをいただきました公明党の大口先生にもですね、感謝したいと思っております。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 ありがとうございます。あともう1点、河川法に基づく許可がですね。

(知事)

 これ、うちの専門家がいるんですよ。正確な数字が分かりましたので、ようやくそれを発表することができます。お願いします。

(太田河川砂防局長)

 河川砂防局長の太田です。よろしくお願いします。河川法の審査基準にのっとりまして、現在まで審査を進めてきておるところでございます。許可するための条件について、おおむね申請者さん側とやりとりが最終段階に、詰めができまして、おおむね了解できるところまできましたので、近日中に許可する見込みで、最終の調整を今、文書のやりとり等をしまして、最終確認をする予定であります。

 具体的には、まず河川法の基準によりますと、利水上の影響を及ぼさないことということが一番大きな課題でございます。それは、トンネル工事によって水量が減少するということでございますので、まだそこについては、県として認めてないということでございますので、そこに今、今回申請が上がってきた電力の電線ですね、電力線が、千石ヤードから工事用トンネルを掘り出すのに必要な電力を供給するものである場合、県としてはそれは当然認められないということになります。

 そこで、今まで電力量がどのくらい供給されるかという観点で、いろいろ調査を、あるいは、JRさんから聞き取りをして、数字が出ましたので、ちょっとそれを今説明します。

 今回申請の電線は、径80ミリの電線が2本橋梁(きょうりょう)に添架して、左岸側から右岸側の千石ヤードに電気を供給するという内容でございますが、これによって、供給できる最大の電力量としては957キロワットでございます。

 一方、千石ヤードで、そこで今宿舎を8棟最終的に建設しますが、そこで生活するのに必要な電力量は835キロワットでございます。

 一方、そこから工事用トンネル、西俣の方に向けて掘るわけですが、それを掘るのに必要な、いろいろトンネルの掘削機であるとか、そういった重機械を動かすのに必要な電力量が約1400キロワットということで、JRさんの方から聞いております。

 ということは、今回の申請内容では、その供給に至らないということになりますので、今回の申請内容は生活に必要な宿舎用の電力量にとどまっているということとなります。

 一方、これは追加で確認しておりますが、新たに、仮にいろいろな合意が取れて工事用トンネルを掘り出す際は、改めてもっと大きな電力を供給するようなことを仮設で、これもまた河川法の申請が必要となりますが、それがあらためて別途にあがってくるというような形になります。

 従いましてまず一つは、今、その一つ事例を挙げましたが、そのように河川法の審査基準にのっとって一つ一つつぶしてきたわけで、そういったことを最終的には文書で確認させてもらって、許可するという方向で今進めているところでございます。以上でございます。

(記者)

 めどとしては、いつごろこの許可っていうことになるんでしょうか。

(太田河川砂防局長)

 もう、今週か来週の早々には許可する方向で進めたいと考えております。

(記者)

 はい、分りました。ありがとうございます。

(記者)

 先ほどの専門部会の鉄道局の関係、よろしいでしょうか。これは鉄道局のどんな立場の方が来られるのか、専門官とかいろんな方がいらっしゃいますけれども、というのが1点と。あとは回答案を見たときに、適宜協議だとか、言葉がしっかりとしてないものが多くて、なかなかこれは進まないなって私は印象受けました。それも専門家から指摘出てますし、また3トンとかいろいろなものの根拠とかも薄いなと思ったんですけど、こういう形になることによって、20日、21日はどんなことが期待されるのかっていうのを、ちょっとお答えいただけますでしょうか。

(知事)

 まず、どのような立場の方がお越しになるかは知りません。ともあれ、3者が一緒になって、こういう形でやりましょうという合意をすることが大事だという、そういうご提言いただいたんですね。誠にありがたいと。

 今、記者さんがおっしゃったように、いろいろと、何て言いますか、十分なやりとりっていうふうには言えないところがありますよね。そうした現場を見ていただきたいというふうに思ってるわけです。

 それで、20日、21日はそう遠くない将来なので、そのときまでにこの調整が進むかどうか分からないんですけれども、取りあえずこれをいたしますということをお知らせいたしまして、あとは国交省のご決断に待ちたいということですね。

(記者)

 進展っていう意味でいうと、いろんなステージを経てきて今回答案というところになって、その協議っていうことで、JR側は専門家の先生方と、部会の委員の方と、適宜やっていきたいという申し出があって、それはオープンの場だったらどうぞっていうことで動いてたんですけども。そこに国交省鉄道局の方が来られるという形になったことっていうのは、やっぱり回答案だとか、誰が見ても分かりづらいっていう部分があってそう動いてるのか、はたまた今週初めに国交省行かれて、そういった形のお話が効いてこういう形になったのか、どういうふうな流れでこうなったっていうふうに、知事は見てらっしゃいますでしょうか。

(知事)

 そうですね、国交省としても心配されてることは間違いありませんね。取りあえず、行司の立場に立つということかなと思っております。個別に秘密裏にされるとね、専門家の先生もちょっと公費を支払いして仕事していただいているので、どういうお話をされているのか、大変気になるところなので、すべてオープンにしてやっていただくと。そのオープンの席に、できればしかるべき第三者の方が同席されていると望ましいと思ってるわけですね。

 ですからこの20日、21日に来られるかどうかも分かりませんし、どういうレベルの人がいずれ来られることになるのか、そう遠くない将来には決まると思いますけれども、やりとりが、今あなたがおっしゃったように、聞けば、なぜこの点について、中間意見書などについて回答が返ってきたのに対して、われわれが不満なのかというのが、明るみに出るんじゃないかというふうに思います。

 これは明るみに、なぜ先生方が心配されてるのか。なぜ今回の回答が、案ですけれども、回答になってないのかということは、質問された先生が、ここはどうなんですかっていうことを具体的にお聞きになるので、これは私も出たいぐらいですけれども、時間が許せばですね。ともあれ、国交省はこういう場に出てくるっていう意思表示を今回のご提案で示されたということで、ありがたく思っております。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 そうすると、ずっと見てきてると、三重だとか奈良だとか、愛知含め関係の県、自治体の人たちに、何かこの今の現状って知られてないなと私は率直に思ってたんですが、それがさらに、今も説明は難波副知事中心にされてましたけども、もっと知ってもらうきっかけになるという、そういうふうに捉えてらっしゃいますか。

(知事)

 国の方の専門家がご覧になって、お聞きになって、当然皆さん方から感想が求められることもあろうかと思うんですね。そうなりますと、要は中立的な立場で、ご指導もひょっとすると仰げるかもしらんというふうには思っております。

(記者)

 ありがとうございます。

(記者)

 どっちなのかイメージがつかみづらいんですが、行司役としてっていうと、ある程度口も出すっていうイメージ、采配するっていうイメージになるんですが、見守るっていう言葉が他方あったりするものですから、オブザーバーっていう立場で入って来られるときに、意見を言ったり、ご議論の流れを作ったりする役割をするのか、それとも単にそこに同席して、両者のやりとりを取りあえずヒアリングするというようなお立場なのか、その辺どんなことを期待されているのか、もう一つイメージがつかめないんですけれども。

(知事)

 最低見守りですね。

(記者)

 意見を求めないっていうことは。

(知事)

 いや、これは国の方のお考え次第じゃないですか。私どもの方から、これについては申し上げる筋のものではないと思います。だけど、事実を知れば判断が生まれますので、意見表明ということになるでしょう。だけど、そこに同席されている方が、本庁にご報告されてからしかるべく判断表明がなされるのか、その場で判断をされるようなレベルの方が来られるのか分かりませんのでね。差し当たって最低限できることは、当事者同士のやりとりを見守るということだと思います。口を出さないということだと思います。

 それから先ほどの件ですけども、確認ですが、生活されるということは生活雑排水も出ますし、汚水も出ますよね。そうしたものの管理も、実は大変関心があります。だけど河川法にそれ直接関係ありませんけども、なぜそこに必要なのかと、生活するからだと。じゃあ、なぜ生活するんですかというと、残ってるトンネルは掘れないわけですから、掘れる場合には、掘る場合には別途、申請していただいて、そして許可するかどうかを決めるってことになっております。

 そして生活するとなれば、そこで仕事してないといけないでしょう。仕事となれば、林道の整備以外ありませんね。ですから、この林道を、これは市の管理ですから、市の方もぜひこの辺りコミットしていただいて、そこを管理されている特種東海製紙さんは、ぜひこれを市道にしてほしいと。つまり、メンテナンスっていう面では、これ非常に危険な所なので、ちゃんとしてほしいというふうに言われております。

 ですから、この辺のところ、向こうで生活されて、される仕事は、単にそこに行って寝泊まりしてるわけじゃないと思いますのでね。林道の整備が、これは作業員の安全のために必要だと私は考えておりますから。そこをするということのためだと、9月から林道の整備に入るというふうに約束されたと承知しておりますので、そのためだというふうに承知しております。

(記者)

 あらためてこのリニア問題について、国が少し関与してくるという状況になったり、あらためて愛知県知事に知事ご自身が説明に行くという予定もある中で、状況も変わってきたかと思うんですが、そんな中であらためて、これまで知事が主張してらっしゃった、協定がですね、締結する前に工事をすることはやっぱり認められないというスタンスでしたけれども、JR側はやっぱり協定締結前に着工したいと。着工しながら協議をしていきたいという姿勢を崩していないと思いますけれども、今後県としての姿勢というのはやはり、協定が締結しないと本工事は認められないということなのかっていうのが一つと。

 あと、知事、かねてからリニア自体には賛成というふうに話していますけれども、2027年の予定の開業に間に合わせるために、腹案があるのかどうかっていうのは、あらためてこの状況が変化してきた中で教えていただきたいんですが。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(知事)

 本工事をやりながら、いろいろ出てきた問題を考えるというのは危険です。ですから、協定を締結してからということですね。ともかく全量戻すということは、約束されてますけど、戻し方も問題ですよね。それからまた、全量戻すといっても、水脈は伏流水として地下水になって流域を潤してるわけですね。

 ですから、そうした地下水に依拠してる、例えば焼津だとか藤枝とかですね、そうしたところ、中下流域ですね、ここに悪影響が出た場合にどうするんですかと。これはもう文字通り産業とか生活とか、文字通り命に関わる問題です。

 私なんか心配しているのは、飛行場が全部干上がってしまったらどうするんだとか、お茶畑が全部干上がってしまったらどうするんだとか、おいしい磯自慢が飲めなくなったり、サッポロビールが飲めなくなったらどうするんだと、喜久酔が飲めなくなったらどうするんだと、志太泉が飲めなくなったらどうするんだと。そういう人たちは、そこで営業してる人たちにとっては、もうまさに死活の問題で、先祖様に申し訳ないとかということがあるでしょう。

 ですから、そういう心配をちゃんと受け止めていただいて、そこでもしも水脈が切れて、地下水の枯渇に至ったといった場合どうなさいますか。こういうようなことは、ちゃんとあらかじめ聞いとかないと。原因と結果はっきりしないから自分で調べなさいなんて言われたら、もうこれはもう大変なことです。ですから、流域に関わる安心を確保するために、どういう対応されるのか。これ何もしなければ、もう全然損害出ないわけですから。

 したい、する以上、いざ悪影響が出た場合にどうするかということについて、きちっと協定で文書化して、オープンにして、誰もに分かるようにしてからでないと工事はできないということです。

 それから2027年というのが、皆さまご案内のように工事というのは自然相手ですから。例えば中部横断自動車道、本来ならば、今富沢からそこでどうですか、南部ですか、南部の道の駅の所まで、もうこの夏にでき上がってなくちゃいけないんじゃないですか。だけど、まだ通れませんね。

 どうしてでしょうか。それはがけ崩れといいますか、土が落ちてくるというような、それをきちっと壁面を固定しないといけないということで時間がかかるので、また延びるということです。そもそも、本来ならば1年半とか前にできてなくちゃいけませんけど、まだ南部からどこでしたかね、下部温泉早川まで、これまだ延びてますよね。

 ずっと延長し、何が出てくるか分かりません。そうすると、自ずと工事期間延びますね。

 それから何か岐阜でもウランが出たとかね。他の重金属、例えばヒ素とか水銀とか鉛とかは出たと。それどう処理するんですかと。処理ができなければ、工事進められないですよね。ですからそういうものなので、なるべく早くということで十分だと私はそういう意味で言ってるわけですね。だから何か2027年が宿題で、2027ページまで全部読んでからしか駄目だとかっていうのと違いますからね。それは常識的なことで申し上げてるわけでありまして、別に反対してるってことでないんですね、なるべく早くするということで。私自身は、これは大阪から名古屋を通して、東京結ぶというのが、リニアの本来の役割です。全線開通が。

 ですから、例えば、記者さんが東京から大阪に行きたいと。リニアができたと。しかし、名古屋までしか出来てないと。それで乗ったと。名古屋駅で降りたと。

 さて、50メートル以上エスカレーターか何かで登って、それからまた改札を通って、それから新幹線の駅に着いて、また適当な時間の新幹線に乗って大坂に行くと。やりますか。名古屋に行く人なら別ですけども、それほとんど現実的じゃないでしょう。

 ですから、もともとは全線開通ということが本来の目的だったわけですね、それを二期工事に分けられて、しかも二期工事に分かれた、名古屋大阪間というのは、もともと2045年だったじゃないですか。どうなりました。

 「2045年までには」って言ったのが、知らぬうち2035年なったでしょ。フレキシブルなわけです。なぜかっていうと、工事費が、財投で入ったからですね。そういうことがございます。

 ですから、いかに早くっていう意味では、いろんなやり方が考えられるであろうということで、そこは沿線各自治体、また国交省、JR東海さん、各事業体がお知恵を出し合って、この全線開通に向けていかに協力するかというようなことも、新しい課題になってきてると。

 いずれにしても、あるいは地域に資するということと、それからやはり人の安全を脅かすとか、人の生活を奪うとか、生態系を台無しにするとか、SDGsの基本的にはわれわれはモデル県になろうと思ってるんですけども、それに対して齟齬(そご)をきたすとか、そういうことがあってはならないと。

 しかも実質かつて国鉄だったわけですから。そうしたところが、我利我利亡者のようなことを言ってはならないというふうに思っておりますので、ここは工期延期を考えながら、徹底的に話し合いしつつ、なるべく早く全線開通に向けてわれわれも努力をし、皆さんからのお知恵を頂きながら、安心して大井川流域の方たちが生活や、産業につながるようにしたいと、こういう考えでおります。

(記者)

 ありがとうございます。そうすると、つまり、東京大阪間の全線開通そのものが、開通を早めるということにおいても大きな観点であって、その2027年とか、限定された東京名古屋間というものにはこだわらないっていうのが、知事のおっしゃる腹案というか、持論ということでよろしいんでしょうか。これまで腹案があるというような、ちょっと言葉もあったものですから、そういうことに何か関係してるのかなと思っての質問なんですが。

(知事)

 「万機公論に決す」で、広く会議を興していろんな人がいろんな意見を言えばいいと、私自身は個人的な意見、長く国土計画に関わってまいりましたし、そうした案はありますけども、それを押し付けるつもりは全くありませんので、だからリニア新幹線が国に及ぼす影響ですね。

 そしてまた、今私は静岡県の観点から考えなきゃいけないと。例えばスーパーメガリージョンに対しては、例えば仮にですよ、停電になったと。

 それが遇遇山脈の下だったと、真っ暗だと。非常口から出てくださいと、非常口は千メートル以上、直線でね。登れませんから、だからこういうのがあって、真っ暗な中を出た所はどこでしょうか。非常口ですと言ってるけど、非常口の所は山の中ですよ、皆。そこに出たとこで助かりますか、分かりません。ですから、非常口の考え方だって、もうスイスの人が聞いたらあきれるような話ですね。

 南アルプスの所に非常口を設けて出られるようにしておくと。普通の人だけでも、ここ何階でしたっけ、2階か。知事室は5階ですけど、105段ぐらいあるんですよ。4階目まではサッて行きますけど、4階目から5階目、これどのぐらいあるだろう。30メートルぐらいですかね。それでも息が切れますよね。

 ましてや千メートル級の坂道をずっと一貫して歩かせると、しかも出口は安全な所かっていうと、山中ですから。もうそういうことも考えますとね、これはもし事故があったら、スーパーメガリージョンは、闇の中の地獄行きのリニアになるかと思って。

 それと考えを明確にする、それを対比するために私は、そういえば、南アルプスから北アルプスとか、あるいは越中おわら節にあるように、加賀の白山、越中の館山、駿河の富士山、三国一と。

 これで三重山とかですね、これスーパーランドスケープリージョンじゃないですか。光の世界ですね。どちらに人は魅力を感じるでしょうかね。

 ですから、もう一度国土について多くの方が考えるきっかけにもなってほしいと思います。実際、前回も全国知事会で、このことに関連しない県の知事さんが、「うちは新幹線すらない。高速道路すら知らない。何であんなところに大きな金を突っ込むんだ」と。「まずうちを助けてくれ」という、お名前を挙げてもいいわけですけども、本当に怒っている人もいました。ですから、もう一度国土について考えるきっかけを持てればいいなと思っております。

 われわれは中部圏知事会とか全国知事会とか、中央日本四県サミットだとかですね、中央日本四県サミットというのは、新潟、長野、山梨、静岡というところですけれども、これも、フォッサマグナ山岳連合などと言ってるじゃないですか。糸魚川静岡構造線、こうしたものを私はスーパーランドスケープ、言い換えると絶景ですね、絶景リージョンと、こうした絶景リージョンを台無しにするようなことはやっぱりあってはならないというようなことはちょっと申し上げました、石井大臣に簡潔に。うんうんとうなずいてられましたね。

(記者)

 ありがとうございました。




幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線、日韓関係、愛知トリエンナーレの中止

(記者)

 度々すみません。難波さんとくらし・環境部が、今の県の置かれてる立場の状況、科学的根拠に基づいてやってるんですよという説明を先月中に終えましたけども、それに対しての反応、またはお話というのは、知事のところに他県から、九つの都府県からありましたでしょうか。

(知事)

 皆さんご理解を示していただいたということですね。同時にJR東海さんに対して特別好意的なお話はなかったように聞いております。一方、JR東海と静岡県がよくよく話をしてくださいと。それぞれの県のお立場もお話されたところもございまして、それもごもっともと。あとは残すは愛知県だけかなと思っております。私は特に奈良県の荒井正吾さん、この方はですね、元運輸省のご出身なので、しかも奈良県は一応リニアが通るルートの中に入っております。まだどういうルートか決まってませんし、駅も決まってませんけれども、ああいう方の話を聞くと非常に説得力あるなと。

 かなり話し込んだぐらいです。やっぱりいろいろと国のことを考える憂国の士といいますか、あの方はいらっしゃいますね。ですからそういう意見が広く共有されるようになって、リニアは何のことですかと。単にこだまとひかりが増えるからいいなとかいうようなことのレベルではなくて、特にジャーナリストの方々は、今これだけ大きな話題になってるわけですから、そもそも論から議論してもいいというぐらいに思っております。

(記者)

 リニアの関係でちょっと細かい点になるんですけれども、先ほど国交省の絡みで8月20日と21日にオブザーバーとして参加してもらいたいということを言われましたけれども、これは一昨日の国交大臣とお会いになったときに要望されてそういうふうな形になったということでしょうか。

(知事)

 それは全く違います。8月20日、21日にお話をするというのは昨日今日で聞いたことです。月曜日に大臣閣下にお目にかかったときには、このことは知りませんでした。そのときには、しかるべき立場の人が出向いてくださるといいなというふうな思いは伝わったかなと思っておりますけれども、だけど別に要請した訳ではありませんので、こちらが国交省に。国交省もどういう形ができるかなと考えあぐねかつ、どういうコミットしたらできるかということで、慎重にしかし前向きに検討してるというそういう表情でした、大臣の表情は。具体的な話はありません。

(記者)

 事実関係の確認なんですけども、その20日と21日の専門部会のときには国交省の方が来るというのは決まっているわけではないと。こちらから県の方から来てはどうでしょうかという形で提案されたということでいいのでしょうか。

(知事)

 提案したのかしら。してくださったの。

(記者)

 返答は来ていないという形ですね。分かりました。

(記者)

 その他の質問ある方、お願いします。

(記者)

 2点あります。1点が韓国との関係が非常に悪くなっている中、自治体交流にも影響がだいぶ出てきています。このことについての知事の受け止めをお願いします。

 2点目が、愛知トリエンナーレの中止が決まりまして、展示の一部中止が決まりました。このことをめぐって、自治体の長が展示内容について口を出すのが憲法違反かどうかということが、愛知県の大村知事と名古屋の河村市長の間で意見の違いが見られます。知事はどのように受け止めていらっしゃいますか。

(知事)

日韓関係

 やはり、国と地方というのは一体というイメージが強いですよね。しかし静岡県は独自の地域外交をしています。これは国と対抗するとかいうことではなくて、いかに友好的な互恵互助の関係をつくることを通して、いさかいといいますか争い、最悪は武力衝突ということでありますけど、そういうことには決してならないようにという思いでやってるわけですね。ですから、前例としては竹島にイ・ミョンバクさんが上陸したり、あるいは尖閣諸島を国有化したりしていたときに、日韓関係、日中関係は最悪の事態になりました。だけど、ご案内のように浙江省に行くなという、来るなと言われる指示が中央政府から浙江省に来ている。われわれの方にも、今回は、日本の政府の意向を考えて行かない方がいいという、私勝手に行きましたよ。

 それが結果的にはすごい感謝されて、それが今回は誰ですか、吉林副知事がピンポンしに向こうに行きますが、ピンポン外交の文字通り出発になったわけですね。それからまた、今、日朝関係で揺れておりますけれども、私どもは忠清南道との関係は、私、知事になって向こうの知事さんは、イ・ワングさん、アン・ヒジョンさん、そして今のヤン知事と変わりましたけど、全く友情は変らないですね。だから中央政府の首脳同士のあるいは関係閣僚同士の関係が悪化してるからといって、私どもはそれに右倣えはしないということであります。

 ですから今回、だんだん韓国に行く方たちが行き控えるというふうな動きが出ておりますけれども、そういう動きとともに、一方でこれを何とか早く修復したいという思いの人もいらっしゃって、静岡県にはそういう思いの者がいますから。ですから、なるべく早く仲直りができるように、静岡県としてできることはと、そうすると忠清南道との関わりと、旧百済との関わりということになりますよね。そうしたことには尽力したいと。

 この間もチェジュ航空の社長が、デイリー運航にしたいのになかなかそれが難しい状態になってるということで、苦渋ですね、苦しみを訴えにこられました、社長さんご自身が。ですから、そういうことをお聞きすると、本当にお困りになってるなというふうに思うんですね。それを何とか助けたいなと思うのが、信頼されてる者としてですね、応えるべき態度じゃないかと思っております。

愛知トリエンナーレの中止

 それから憲法21条をめぐって、表現の自由、出版の自由、思想、学問の自由というのは、もうこれは日本の誇るべき宝である、ですよね。それをめぐって非常にユニークな二人の政治家であります。特に河村さんは非常に面白くて私は彼、好きですよ。大村さんは、何か私と極めて近しかった小渕首相の何か秘書官みたいなことされたらしいんですね、政治家としてですけども。そういう関係もありまして縁を感じておりますので、なるべく二人が争わないようにというふうに思っております。基本的に表現の自由を認めるべきだと。

 ただやはりあれですよね、相手の神経を逆なでするとか、あるいは相手国を侮辱するとかですね、いうことはしてはならないんですね、と思います。それは人間関係でも一緒でありまして、特に国との関係においてはそうだというふうに思いますので、そうしたことを踏まえた上でやらないといけないと。表現の自由だからといって、河村さんがそれも一定の制約があるっていうのも分かりますし、表現の自由は尊重されねばならないと、憲法の原理論的な説明も大村さんの主張として分かりますし。それぞれ憲法21条というものに世界の注目を集めた功績があるなと思っております。




記者質問:学力テスト

(記者)

 学力テストについてお尋ねしたいんですけれども、静岡県は小中学校とも結果が良かったということで、それは良かったと思いますけれども、英語が中学3年生で初めて実施されてスピーキングも行いました。そのスピーキングに関しては、生徒個人にはその結果が行くと、全国の結果も公表するんだけれども、都道府県の結果についてはスピーキングが公表しないということで、教育関係者にいろいろ話を聞くと、初めてスピーキングを実施したということについては良かったという受け止めがある一方で、やっぱりその都道府県のデータを公表しないと、どれくらいの位置にいるかとか、あと都道府県としてのその課題が分からないということもありますけれども、この件に関しては知事はどのようにお考えになりますでしょうか。

(知事)

 記者さんがおっしゃってるとおりですよ。教育関係者の心配をもうそのまま、もっともな心配だと思いますね。ですからそもそも論で言えば、学力テストは悉皆調査する必要ないということがあります。

 新聞社さんでさえ世論調査されるときに、有権者すべての方たちにお聞きにならないでしょう。サンプル調査で十分なんですね。それ悉皆調査するのはどうしてでしょうか。学力を知りたいからか、あるいは特定の業者をもうけさせるためになのかと。特定の業者が受注してるじゃないですか。だからそのためにやってるのかとさえ勘ぐられますね。だからあれほどの、何十億ものお金を費やして学力調査をする必要があるのかということが、まず私は思っておりまして、サンプル調査で十分だというふうに思っております。それからまた学力テストの結果についてですけども、小学校はちょっと平均点以下もあると、しかし中学で伸びると、これは静岡県のパターンですね。これどうしたかというと、記者さんどう思われますか。私は大変関心がありまして、やっぱり日本海は雪が降るじゃないですか。蛍の光窓の雪、窓の雪明りででも勉強するというところから蛍雪ってきてるわけですけども、だから雪が降ると外で遊べないでしょ。だから秋田県なんか豪雪地帯です。福井もそうです、富山もそうです。そうすると外に行くと危ない、かえって転んだり吹雪に遭ったりすると。だったら家で何をするか、テレビ見てるとお父さんお母さん怒るから宿題しなくちゃいけない、予習しなくちゃいけない、必然的に学力は上がるんじゃないですか。日本海側が上がるっていうのはもちろん先生のご指導もよろしいでしょうけども、子どもがそういう環境に育ってるってことですね。

 ところが静岡県どうでしょう。雪降りますか。イチゴ狩りに行ける、あるいはミカン食べられる。ですから冬の最高気温は東京や名古屋より2、3度高いですよね。ですから、そういう意味では体を動かすのに向いてるんですね、勉強するよりも。私、非常に健康的だと思います。大体10代の前半になって少しく物心ついて、いい高校行かないと駄目ですよっていうのを、お父さんやお母さんや先生にそう言われたら、「そうだな」と一気にバーッと出る。これは体力勝負ということになる。それでグーッと上がってきて4位とか5位でしょう。素晴らしいと思いますよ。大体パターンがこれで分かりましたよね。これずっとそうですからこれまで、そういう意味で風土性が小学校、中学校の成績に反映しているなと。ここは体を動かす、その意味で文武両道がやりやすいところだと。ただ文武と言いましたけれども、むしろ文武芸といったらいいかもしれません。

 いろいろな、例えば先ほど言った宝塚だとかですね、絵を描いたり、その他もろもろの自分でやりたいことを外でできるというようなものを選べる可能性が高いと。雪国だと家で勉強する以外ないということと違いますからね。そういう意味で、いいところだと思います。

 それから英語についても、やった以上は結果はもう全部知らせてもいいと。それはもう先生の責任だ、子どもの責任でも何でもありません。学校が固定化されるわけでもない。今日残念ながら静岡高校、最後にツーアウトからねヒットで出たんですけども、次にサードゴロに打ち取られて3対1で負けましたけども。じゃあ静岡県は、静岡高校はいつでも駄目だと。分かりませんよ。次はどこが出てるか分かりません。学校は固定されませんよ。監督次第あるいはそのときの選手次第であります。まあ実質上監督次第ですよね。私はそういう意味では、学校の固定化なんて有り得ないと。良い先生が来ると、良い監督が来ると伸びるというふうに思っておりまして、そういうところに神経質になってることはおかしいというふうに思っております。これはもう一貫してそういう考えを変えたわけではありません。結果は公表すべきであると、情報は独占してはならないと。

 記者さんが身体検査に行って、ちょっと悪いですなと、ちょっといいですなと。どこがいいんですか、どう悪いんですかと。「これはちょっと私の方で預かっておく」と言われたら、私の体のことだから知らせてくれというふうに言うですよ。当たり前のことですよね、ばかにするなと。だから文部科学省から自立することが地域自立だと。ですから、われわれは地域づくりのための人づくり学校づくり実践委員会やってます。それは文科省から独立するという、そういう基本的な姿勢なんです。だけど制度上できませんのでね。しかも義務教育は、われわれお金を払ってそれで無料で受けられる権利があります。それを統括してるのが文科省さんでありますから、そういう意味で構造上、勝手なこと言えないんですけれども、本来われわれは文科省がなくても、ニュージーランドと同じGDPもってですね、ここに立派な大人がいます。ですから自分たちの子どもについて、子どもの数が少ないですから、十分に教育できると私は思っておりますよ。今の教育長先生は大学の元学長です。ですからそういう先生が、いかに子どものために何かするかってことは文科省の指導要領がなくたってできると思います。そういう意味では、義務教育まではきちっと何しますけれども、文部科学省っていうのはもう本当に無用の長物になってきたなというふうに、私は学力テスト通してずっと感じてまいりました。はい、ちょっと言い過ぎました。